旧帝大や医学部などに合格する「勉強計画の立て方」
旧帝大や医学部などに合格する「勉強計画の立て方」
旧帝大や医学部などの難関大学・学部に合格するためには、とてつもない勉強量が必要です。その一方で、受験までの時間は限られています。
この限られた時間の中で、やみくもに勉強するのは無謀です。
限られた時間のなかで、合格点まで辿り着くためには、「勉強計画」をしっかりと立てることが大切です。
※旧帝大とは、北海道大学・東北大学・東京大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学の7つの国立大学のことです。これらの大学は戦前には「帝国大学」と呼ばれていました。
勉強計画作成の流れ
- 志望校の情報(受験科目など)を把握する
- 現状の学力を把握する
- 勉強計画を立てる
いきなり、勉強計画を立てるのはNGです。例えば、「化学が苦手だから、化学を毎日1時間勉強しよう!」となんとなく決めたとしても、受験科目に化学がないかもしれません。
志望校の情報を把握するだけでは不十分です。例えば、「受験科目に化学がある場合」でも、化学の実力がすでに合格レベルに達しているのであれば、他の教科に勉強時間を費やすべきです。
このように「志望校の情報」と「現状の学力」を把握しておくと、勉強計画が立てやすくなります。
志望校の情報を把握する
志望校の情報は入手済みですか?
入手すべき志望校の情報
- センター試験の受験科目
- センター試験の配点
- 個別試験の受験科目
- 個別試験の配点
- 合格最低点
- 合格平均点
- 難易度(偏差値)
- 過去5年分の過去問
これらの情報は、インターネットなどで簡単に調べることができます。
受験科目・配点・合格最低点・合格平均点を調べることは超重要!
次の表は「平成30年度 名古屋大学 農学部 応用生命科学学科」の受験科目・配点・合格最低点・合格平均点です。
この表からわかること
- センター試験と個別試験で必要な科目が異なること
- センター試験と個別試験で配点が異なること
- センター試験の科目の中でも配点が異なること
- 個別試験の中でも配点が異なること
- 合格最低点がそんなに高くないこと
など
配点に注目すると・・・
例えば、
理科は800点
社会は100点
です。
つまり、理科と社会の勉強比率は8:1程度にする必要があります。社会が苦手でも、そこまで社会を勉強しなくても良いということです。
合格最低点に注目すると・・・
また、合格最低点は約6割です。9割を狙うのと、6割を狙うのでは、勉強法や作戦が全く異なります。
しかし、合格最低点を目指してしまうと、出題される問題や当日の体調などに合否が左右されてしまいます。
合格平均点を目指すべし
そこでおススメなのが、合格平均点以上を目指すことです。この表の場合、合格平均点は約7割です。1割も余分に取れるように準備しておけば、多少のことでは、合否が左右されません。
大学や学部によって、これらの情報は異なる!
厄介なのは、大学や学部によって、これらの情報が異なることです。名古屋大学と北海道大学では異なりますし、名古屋大学の中でも、農学部と工学部では異なります。
志望校が決まったら、すぐにこれらの情報を入手してください。
現状の学力を把握する
「志望校の情報」を把握できたら、次は「現状の学力」を把握していきます。
現状の学力の把握に必要なもの
- 定期テストの校内順位
- 模試の校内順位
- 模試の判定、偏差値
「定期テストの校内順位」から基礎の習得状況を把握する
基礎の習得状況がわかる
定期テストは、大部分が基礎問題で構成されています(入試という視点で見たとき)。つまり、定期テストの結果から、基礎が習得状況がわかります。
受験科目の校内順位が上位20%に入っているか?
上位20%というのは、1学年の生徒が300人の場合、60番以内のことです。基礎を習得していないと、上位20%に入ることはできません。
逆に、上位20%に入っていれば、基礎は習得できていると考えられます。
定期テストの校内順位が
上位20%に入っている
→基礎事項が習得できている
上位20%に入っていない
→基礎事項が習得できていない
このように判断することができます。
「模試の校内順位」から基礎の習得状況を把握する
模試は定期テストの復習
模試は基本的に「学校の授業で習った範囲」から出題されます。つまり、定期テストの復習のようなものです。
もし、「模試の校内順位」が「定期テストの校内順位」よりも、ガクッと下がっているようであれば、「せっかく覚えた基礎を忘れてしまっている」ということです。
模試の校内順位が
上位20%に入っている
→基礎事項を習得できている
上位20%に入っていない
→基礎事項を忘れている
(もしくは、そもそも習得できていない)
このように判断することができます。
「模試の合格判定・偏差値」からライバル達との差を把握する
戦うのは、学内のライバルではなく、全国のライバル
ここまでは、「校内順位」に着目してきました。基礎の習得状況を確認するためです。
しかし、本来知りたいのは「志望校に合格できるかどうか」です。
仮に、校内順位が1位だとしても、模試の合格判定がE判定ならば意味がありません(A~Eの5段階評価の場合)。
戦うのは、学内のライバルではなく、全国のライバルです。全国のライバル達との差を把握する必要があります。
模試の合格判定・偏差値に着目する
模試を受けると、合格判定(多くの場合、A~Eの5段階評価)と偏差値がわかります。この2つに着目していきます。
A判定以外はNGです(追加の勉強が必要)。B判定やC判定でも、もちろん合格する可能性はあります。しかし、それでは出題される問題や当日の調子などに合否が左右されてしまいます。
そもそも、A判定でも合格できるとは限りません。A判定の合格確率は80%以上と書かれているはずです。逆に考えれば、20%未満の人は不合格になる可能性があります。B判定やC判定なら、その比率はもっと大きくなります。
受験は一発勝負。少しでも合格の可能性を上げておく必要があります。
模試の結果には、受験科目ごとに偏差値が記載されているはずです。A判定レベルに達していない受験科目は全てNGです(追加の勉強が必要)。
勉強計画を立てる
勉強する科目の優先度を決める
NG科目がわかっても、全てに対して同じだけの労力を注ぐのは非効率です。受験までに間に合いません。
そこで、次の3つのことから、勉強する科目の優先度決めていきます。
- 志望校の受験科目&配点
- 基礎事項が身についていない受験科目
- A判定になっていない受験科目
勉強する科目の優先度の見つけ方
上の表の「赤いところ」を見て下さい。
この赤いところは
基礎事項が身についていない。
模試の判定もA判定でもない。
それなのに配点が大きい。
つまり、「勉強する優先度としては1番高い」ということです。
一方、上の表の「青いところ」を見て下さい。
基礎事項が身についていない。
模試の判定もA判定でもない。
でも、配点は小さい。
つまり、「勉強する優先度としては低い」ということです。
この表はあくまで例です。「志望校の配点」や「自分の現在の学力」から、このような感じで「勉強する科目の優先度」を決めてみてください。
「総合点」を最大にするように科目を選ぶ
受験は「総合点」の勝負です。数学が満点だったとしても、他の科目が足を引っ張って、総合点が足りなければ不合格になってしまいます。
「総合点を最大にするためには、どの科目からやるべきか?」
という視点で「勉強する科目の優先度」を決めてください。
苦手な単元を見つける
優先的に勉強する科目が見つかっても、すべての単元を勉強するのは非効率です。まずは、苦手な単元を見つけてください。
基礎事項が身についていない場合
ただし、基礎事項が身についていない場合(定期テストや模試の校内順位が上位20%に入っていない場合)は、まず、基礎から徹底的にやることをおススメします。
旧帝大や医学部などの難関大は、基礎力がなければ突破できません。
次の記事のなかで、基礎力を身につける方法を紹介していますので、参考にして頂ければ、幸いです。
「3週間で1科目の偏差値を5上げる方法。偏差値60以上を目指す方へ」
基礎事項が身についている場合
模試の結果から「足を引っ張っている単元」を見つけてください。
使う問題集を決める
次は使う問題集です。
使う問題集はできるだけ「薄い」ものを選ぶことをおススメします。「厚い」問題集は、途中で気持ちが萎えてしまいます。
ただし、「自分の志望校と同レベルの問題が収録されていること」も確認してください。簡単すぎる問題集でも、難しすぎる問題集でも点数が伸びることはありません。
問題集は、実際に書店まで自分の足を運び、自分の目で見てから買うことをおススメします。問題集には相性があるからです。他の人が「この問題集が良い」と言っていたとしても、自分に合うかどうかはわかりません。
ただ、そこまで真剣に悩む必要はありません。書店に並んでいる時点で、間違いなく良書です。直感で「あっ、これいいな!」と思うものを選んでください。
※ 学校や塾から配布されている問題集が、自分に合っていると思えば、それを使ってください。
期日を決める
期日を決めること。このことは、勉強計画を立てるうえで最も重要です。
期日のない勉強計画は勉強計画ではありません。期日がないと、ダラダラ勉強してしまう可能性がありますし、受験までに間に合わないかもしれません。
そもそも、
- 入試の日時
- 模試の日時
- 定期テストの日時
は頭の中に入っているでしょうか?これらの情報がないと勉強計画を立てることはできません。
「いつまでに、○○をやる」
この意識を必ず持つようにしてください。
総合点が最も高くなるように組み立てていく
勉強する科目は、1科目だけではなく、複数科目になることが多いと思います。
「受験までに残された時間」
「各科目の得点の伸びしろ」
を考慮しながら、総合点が最も高くなるように組み立ててください。
少し難しい作業ですが、面白い作業でもあります。このような作業(スキル)は社会人になってからも必ず役に立ちますので、この機会に是非チャレンジしてみてください。
「自力ではどうしてもムリ!」という方は、親や先生に手伝ってもらってください。
やることは徹底的に減らす
勉強計画を立てると、「あれもこれも」と色々詰め込みがちです。しかし、できなければ意味がありません。
勉強計画を立てるコツは、「増やすことではなく、減らすこと」です。
入試は満点をとる必要はありません。たいてい6~7割程度とれば、合格することができます。逆に考えれば、3割程度の問題は捨てても良いということです。
「減らせる場所はどこか?」
という視点で考えてください。
2割の余裕を持って計画を立てる
ギリギリに完了する計画はNGです。計画はたいていの場合、後ろにずれていきます。
計画自体の未熟さ(抜け漏れなど)が原因のときもありますし、突発な出来事が原因となるときもあります。
2割の余裕を持って計画を立てることをおススメします。
例えば、10日後に試験があるのであれば、8日で完了させる、などです。予定どおり終われば、他のことをやればいいだけのことです。
1日で一気に勉強計画を立てる
勉強計画を立てるのは結構しんどい
勉強計画を立てるのは結構たいへんです。しかし、適当に立てても「絵に描いた餅」になってしまいます。
やるなら徹底的に。とはいっても、何日をかけるのは時間がもったいありません。
「1日で必ず作ってやる!」という意識が大切です。
丁寧に作る必要はない
勉強計画は丁寧に作りたいところですが、こだわり出すと一生終わりません。
そこでおススメなのが、「ポストイット」を使って勉強計画を立てることです。
少し大きめの紙(できればA1、A0サイズ)にポストイットをペタペタ貼っていくだけであれば、時間をかけずに勉強計画を立てることができます。また、勉強計画に修正があった場合も、ポストイットを貼り直すだけで済みます。
勉強計画を立てた後はひたすら計画通りに。ときには修正を
どんなに素晴らしい計画を立てたとしても、実行しなくては意味がありません。また、立てた計画が完璧ということはまずありません。実際にやりながら、ちょっとずつ修正する必要があります。
勉強計画を立てるのはたいへんですが、それだけの価値があります。
このような計画が立てられるようになると、点数を効率的に上げることができるようになります。
また、社会人になってから、壮大なプロジェクトの計画なども立てられるようになります。
志望校合格のため、将来の夢実現のためにも、ぜひ1度勉強計画を立ててみてください。