大学入試改革に振り回されるな!コツコツと実力をつけよう

大学入試改革に振り回されるな!コツコツと実力をつけよう


 
英語民間試験活用の延期が決定(2019年11月1日)。

 
経済的問題、試験地の問題など、以前から問題が山積みだった。

 
「やはりこうなったか」

多くの教育関係者はそう感じたはず。

 
でも、当事者である現在の高校生2年生以下の人達はかなり混乱していると思う。

国や先生から「準備しておけ」と言われたものが、急に目の前から消える。もし、私が当事者だったら、憤りを覚えるし、混乱すると思う。

 
でも、こんなときだからこそ振り回されてはいけない。

 
なぜなら、条件はみんな同じだから。

 
混乱した分だけ時間が奪われる。

次を見据えて着々と準備をした人が、大学入試改革初年度を乗り切ることができる。

 
このようなバタバタしたときには、結局、実力のある人が勝つ。

つまり、やるべきはコツコツと実力をつけていくこと。
 

数学や国語の記述もどうなるかわからない

大学入試改革のもう1つの大きな変更として「数学や国語の記述の導入」がある。

マーク試験だけでは、本当の実力を測定できない、というのが理由の1つ。

 
でも、「数学や国語の記述の導入」も問題が山積み。

一番大きな問題は、「採点を公平にできるのか」ということ。

 
センター試験は1年間で約50万人受験する。短期間で採点するためには、採点者の人数を増やす必要がある。

しかし、採点者を増やせば、採点のばらつきも増える。

同じ人が採点しても、「朝」採点するのと「夜」採点するのでは集中力が異なる。人が採点する以上、ポカミスなどもある。

おそらく、完全に公平にすることは不可能だと思われる。

 
また、複雑な解答の採点は極めて難しい。記述問題になるのは、シンプルな解答になるものだけと想定される。こうなった場合、マーク試験とそれほど変わらない。採点するのが大変になるだけで、メリットは少ない。

 
他にも、自己採点が難しいといった課題もある。今までであればセンター試験終了直後に自己採点をして志望大学を決める、という流れだった。それが難しくなる。

ただ、個人的には今までの流れにも疑問を感じる。マーク試験であろうと自己採点では本当の点数はわからない。(マークミスなどもあるので)

センター試験の結果はさっさと本人に開示するべきだと思うし、期間の問題でできないのであれば、センター試験の日程を早めるなどの工夫をして欲しいと思う。

 
少し話が逸れてしまったが、「数学や国語の記述の導入」も問題が山積み。この先どうなるかわからない。「やっぱやめましょう」というのも十分あり得る。

ただ、英語民間試験導入が失敗してしまったので、こちらの方は問題山積みでもゴリ押ししてくる可能性もある。

 
つまり、結論はどうなるかわからない。

 
でも、振り回されてはいけない。

条件はみんな同じ。バタバタすればした分だけ損をする。

結局は実力のある人が勝つ

このような混沌とした状況では、結局、実力のある人が勝つ。

つまり、やるべきは着実にコツコツと実力をつけていくこと。

 
マーク式だろうが、記述式だろうが本質は同じ。

問題を本当に理解している人はどちらも解ける。

中途半端にしか理解してない人は、記述式は解けずに、マーク式の方が正答率が若干上がるだけのこと。

 
「実力を養うこと」に注力していけば、大学入試改革に振り回されることはない。

将来、自分に必要なものを見極めるべし

今回の英語民間試験活用の延期で改めて思わされたこと。

それは「今の日本の教育って一体何なの?」ということ。

 
勉強の目的が「受験を突破するため」だけになっているような気がする。

 
本来、英語を勉強する目的は、

  • 海外で働くため
  • 海外の人とコミュニケーションをとるため
  • 海外の文化に触れるため

などだと思う。

 
でも、今は「テストで点数をとるため」「志望校に合格するため」、これらを目的として英語を勉強している人が多いような気がする。

 
本来の目的で勉強している人達にとっては、英語の民間試験導入が延期されようが、「ふ~ん、そうなんだ」くらいにか感じない。むしろ、将来留学を考えている人達は、留学時に使うことの多いTOEFLがなくなったことで「ライバルが減ってラッキー」くらいに思っているかもしれない。

 
学校の先生達がバタバタしているのを見ると、本来の目的ではなく、受験突破のためだけに英語を教えているように感じてしまう。そのことを少し残念に思う。教育要領が決まっているし、生徒や保護者からの期待がそちらにあるので、仕方ない面もあるのだけれど。

 
受験を突破するために勉強することも、今の日本では重要かもしれないが、

今やっている勉強が、将来の自分にどのように役立つだろうか?

このような視点で勉強に取り組むことをおススメしたい。少なくとも「気持ち」は大学入試改革に振り回されなくなる。(もし、絶対に役に立たないと思うのであれば、勉強なんてする必要ないと思う。他の事にもっと時間を割くべき。)

国に文句を言うのはやめよう

今回の大学入試改革は、はっきりいって失敗だと思う。

でも、だからといって国に文句を言うのはちょっと違うと思う。
 

文句を言うのであれば、代替案を出すべき。

しかし、代替案を出したとしても、おそらくだが、すべてが上手くいくことはまずない。なにかしらの課題が残る。少なからず失敗する。

 
「今まで通りで改革しない」という案もあるかもしれないが、個人的には改革すべきだと思う。

 
今の教育は、知識を詰め込んで、それを紙に書き出すことがメインになってしまっている。

少し昔であれば重要なことだったのかもしれないが、今は違う。現代は機械が発達している。

詰め込んで書き出すなんてことは機械の得意分野。そのようなことはもう人間には求められていない。つまり、教育が時代遅れになっている。

 
教育を改革していかなければ、近い将来に発展途上国と呼ばれていた国々に次々と抜かれ、日本は「過去の遺物」なんて呼ばれかねない。

 
そういった意味では、個人的には大学入試改革を応援したい。(今回は残念な結果になってしまったが・・・)

不運と捉えるか、幸運と捉えるかは本人次第

ただ、災難なのは当事者である高校2年生以下の人達。でも、改革はいつかは必ず行われる。それがたまたま2020年になってしまっただけのこと。

このことを、不運と捉えるか、幸運と捉えるかは本人次第。

 
世の中がバタバタしている中で、着実に実力をつけていけば、本来勝てなかった人達に勝てる可能性もある。

それに、英語の民間試験は大学合格後の留学後や就職時に役立つことが多い。今回しっかり対策に取り組んだ人は、将来ラクすることができる。

民間試験だろうとセンター試験だろうと「英語」という枠組みでは同じ。民間試験対策で努力したことは受験でも少なからず役に立つ。

 
大事なのは、振り回されずに着々と実力をつけていくこと、自分に必要なものを見据えて勉強に取り組むこと。

それが合格への近道だと思う。