石油が枯渇した世界でも生き残れる。そんな子供に育てよう

石油が枯渇した世界でも生き残れる。そんな子供に育てよう


 
石油は有限資源。いつかはなくなります。

 
では、いつなくなるのか?

 
少し前までは「あと30年」なんて言われていましたが、新たな油田の発見や採掘技術の向上により、2019年時点で「あと50年以上」は枯渇しないと言われています。

 
「じゃあ、生きてる間はなんとかなるか」

なんて安心してはいけません!

 
私を含め、この記事を読んでいる人はなんとかなるかもしれません。

 
ですが、自分の子供はどうでしょうか?

子供の子供、つまり、孫はどうでしょうか?
 

50年後には新しい燃料が開発される?

「50年後には石油に代わる新しい燃料が開発されているよ」

確かにそうかもしれません。

 
石油の他にも、ウランや天然ガス、石炭などの資源があります。

近年では、日本の近海にも存在するメタンハイドレートなんてものが発見されましたし、水素燃料を活用する技術も進歩してきました。

 
これらの燃料を合わせれば、数百年以上はエネルギー不足にはならないそうです。

 
「じゃあ、子供や孫の代、その先の代も一安心か」

なんて考えるのは早計です。

 
ここからはあくまで私の推測ですが、「もし50年で石油が枯渇するのであれば、今から50年以内に日本は厳しい時代を迎える」と思われます。

※ 石油の枯渇予測年数は、なぜか(?)年々増えていく傾向にあるので、100年になるかもしれません。その場合は、「100年以内に日本は厳しい時代を迎える」と推測されます。

今から50年以内に日本は厳しい時代を迎える(あくまで推測)

今から50年以内に日本は厳しい時代を迎えると推察されます。(あくまで推測)

 
その理由は、石油がなくなったからといって、すぐに他の代替燃料に切り変えることができないから。

おそらく、切り替えるまでに10年、20年の時間がかかります。

 
イメージしやすいのは自動車でしょうか。現在の自動車はガソリンを燃料として走ります。

ガソリンは石油から抽出されるもの。

 
つまり、石油がなくなれば、ガソリン車は走れなくなります。走れるのは電気自動車などのガソリンを使わない車だけ。

 
この場合、ほとんどの家庭が車を乗り換えることになります。

しかし、自動車メーカーもいきなり電気自動車を大量生産なんてできませんし、そもそも、電気を充電するインフラ設備が間に合いません。

どう考えても、10年、いや、きっとそれ以上の年月が必要です。

 
逆に考えれば、石油がなくなる10年以上前までに「代替燃料社会」を構築できなければ、エネルギー不足の時代がやってくるということ。

 
石油がなくなる前に代替燃料社会を構築する。

そんなことができるのか?

 
私自身の経験に鑑みると、少し難しいのではないかと考えます。

実際に石油がなくならないと動き出さないという現実

私自身、「いつか石油がなくなる時代がくるから、代替燃料技術の開発をしたい!」と思い、「燃料電池自動車」の開発に携わった経験があります。

燃料電池自動車とは、ガソリンではなく、水素を燃料として走る車のことです。

 
ただ、この車の開発に携わっているとき(~2015年)に、世間とのギャップをひしひしと感じました。

 
「今は石油あるんだから、そんな開発しなくてもいいじゃん。」

「燃料電池自動車作ってるんだ。ふ~ん。頑張ってね。」

 
そんな感じです。

 
若干、被害妄想が入っているかもしれません。でも、「絶対に水素社会を発展させなきゃダメだ!」なんて言ってくれる人はいませんでした。(開発関係者を除いて)

 
無関心というか他人事。

 
実際、開発に携わった車(MIRAI)を街中で見たことありませんし、家の近くで水素ステーションが建設される予定もありません。

 
「未来のことより今が大切」
「今が忙しすぎて未来のことを考える余裕がない」

 
これが現実ではないでしょうか。

 
石油が実際になくならなければ、本気で動き出すことはない。

でも、そのときは後の祭り。手遅れです。

石油がなくなると何が起こるか?

石油がなくなった。でも、代替燃料社会としてはまだ中途半端な状態。

このような状況だと悲惨なことが起こります。

 
まずは、電気が不足する。当然、電気料金も高くなる。

それに伴い、すべての物の値段が高くなる。場合によっては、電気不足、資金不足で物が作れなくなる。作れたとしても値段が高いから売れない。

 
車も乗れないから、製品を輸送できない。

 
どんどん会社は倒産。次第にデモや内乱が起こり出す。

 
おそらく、現在の日本という国は崩壊してしまいます。

 
あくまで私の推測に過ぎませんが、そこまで見当違いなことではないと思います。

 
 
もし、石油産出国に

「日本にはもう石油売らないよ」

そう言われてしまえば、どうしようもありません。先述の状況への道に向かって一歩ずつ進んでいくことになります。

そもそも、石油を「50年間」売り続けてもらえるのか?

石油が50年間で枯渇すとるとした場合。

果たして石油を「50年間」売り続けてもらえるのだろうか?

 
逆に、もし日本が「50年間分の石油」を保有していた場合、近隣諸国に自国の石油が尽きるまで売り続けるだろうか?

 
「世のため、人のため、どんどん石油を売り続けよう」

とてもそうはならないような気がする。

 
まずは自国が困らない分の石油をストックし、余ったら売る。しかも、かなり高い価格で。

きっとそんなスタンスになる。

 
つまり、50年間分の石油があったとしても、石油産出国が日本に今と同じように石油を売り続けてくれるとは限らないということ。

数十年先には石油を売ってもらえなくなる日がくるかもしれないということです。

 
50年先を目指して代替燃料社会を構築していっても手遅れ。

本来は今すぐに準備していく必要があります。

 
「そんなことわかってるよ。」

 
みんなもなんとなくわかっている。

でも、現在は石油がある。現在は困っていない。

だから、代替燃料社会は後回し。これが現実。

代替燃料社会の構築のために増税すると言われたら?

ここまで記事を読んでくださった方は、「ヤバイじゃん!早く代替燃料社会にしてかなきゃ!」

もしかしたら、そう感じてくれた人もいるかもしれません。

 
ですが、現実はそうなりません。

 
例えば、

「石油に代わる代替燃料社会に向けて準備していく。それにはこれから毎年10兆円必要だ。だから、増税する!」

なんて、政府に宣言されたらどうなるか?

きっと大反対が起こります。

 
「そんなことよりもっと先にやるべきことがあるだろう!」

そんなことを言う野党の政治家の姿が目に浮かびます。

 
実際に石油がなくならないと動かない。実際に困らないと動かない。これが現実です。

 
ただ、政府に文句を言うのはお門違い。政府は世論を尊重して動きます。

大多数の国民が「代替燃料社会が必要だ!」と心の底から思わない限り、未来が変わることはありません。

そして、先述の「私自身の経験」からも、とてもそうなるとは思えない。

 
破滅の道へと一歩ずつ進んでいる。でも、止める手立てがない。無念です。

自分ができることをやっていくしかない

ここまでの話はあくまで私の推測。このようになるとは限りませんし、そうならないことを願っています。

 
ですが、石油がなくなれば日本社会に混乱が起きるのは必至。そして、石油は有限資源。

 
私の推測はそこまで的を外していないように思えます。

 
1つだけ言えるのは、世の中の流れをコントロールするのは不可能だということ。(少なくとも私には)

つまり、もし世の中が「私の予測する最悪なシナリオ」に進んだとしても、日本に住んでいる限り、必然的にその渦に巻き込まれてしまいます。

 
重要なのは、そのときにも生き残れること。

ただ、直接的な被害を受けるのは、おそらく子供や孫の世代。

 
私達大人のやるべきことは

「石油が枯渇した世界でも生き残れる」

そんな子供を育てていくことではないでしょうか?

 
現在、石油で豊かな暮らしをさせてもらっている私達の最低限の責務ではないかと、個人的には思います。

 
こんな時代が来ないのが一番良いことですが、万が一にも来てしまった場合に備えて、

「どんな時代が来ても、自分の力で自分の道を切り拓いていける」

そのような強い子供に育てていくことをおススメします。

 
私自身、そのような人材を育成できればと思い、会社を辞めて独立しました。今後も微力ながら世の中に貢献できればと考えています。