京都大学に合格できた理由は「将来が不安で仕方なかったから」

京都大学に合格できた理由は「将来が不安で仕方なかったから」

「京都大学出身です」とお答えすると、「頭が良いね」と言って頂くことが多いのですが、実際はその真逆です。

自分の頭が良くないことなんて、自分自身が一番良く知っています。だからこそ、自分に自信がなくて、将来が不安でたまりませんでした。

しかし、幸か不幸か、その不安がモチベーションとなり、京都大学に合格することができました。そして、現在は自分に自信が持てるようになりました。

この記事では、

  • 自分に自信がない人は、難関大学を目指した方が良いこと
  • 難関大学合格は、それほど難しくないこと
  • 難関大学の学歴が、未来を切り拓いてくれること

などについて実体験を交えてお伝えします。現在、自分に自信がなくて将来が不安な方に参考にして頂ければ幸いです。

言語能力が低いことに気付く

本が1冊も読めない

私は20才になるまで、本を1冊も読んだことがありません。というよりも、読むことができなかったんです。童話でさえ読めませんでした。

文字が記号のようにしか見えませんでした。それぞれの単語の意味はわかるのですが、文章の中に散りばめられた途端、文章が暗号文のように変わってしまいます。

そのため、本を読もうとしても、2ページ以降に進めない。

中学校や高校の国語のテストは、文章を記号として捉え、解法パターンを覚えることで、なんとか及第点を取り続けました。

音読が苦手

文章が読めないので、音読も苦手でした。ただ、高校生くらいまではそのことに気付きませんでした。音痴な人が自分が音痴であることに気付かないことと同じです。

なぜ気付いたかと言えば、音読を先生にバカにされたからです(先生からしたら、バカにしたつもりはなかったと思いますが・・・)。

小学校の頃に・・・

最初は小学校の頃です。音読をしていたら「真面目に読め!」と怒られました。こっちは当然真面目にやってます。怒られた理由がわからなかったので、当時はかなりショックを受け、悲しい思いをしました。

高校生の頃に

次に覚えているのは、高校生の頃です。英語の文章を音読して、終わった後に先生から「素晴らしい」みたいなことを言われました。音読が苦手なことに、そのときはまだ気付いていなかったので、「やった、褒められた。嬉しいな」と思ってしまいました。

しかし、自分の英語の発音や音読が素晴らしいとはどうしても思えない。そして、ふと小学校の頃のことを思い出しました。もしかして音読が上手くできていないのではないかと思い、もう1度音読してみると、音読のスピードが物凄く遅いことに気付きました。

やっと気付く

ここで、初めて「自分は音読が苦手」ということに気付きました。

「本が読めない」
「音読ができない」

この2つは、日常生活のなかでは、全く支障ありません。そのため、普段は気になりませんでした。性格は明るい方なので、むしろ毎日を楽しく過ごしていました。

将来が不安で仕方ない

ただ、日常生活には支障なくても、将来のこととなると、話は別です。

「言語能力が低いと、将来就職できないんじゃないか」という、ものすごい不安がありました。

お金を稼げるような特技を持っているわけでもないので、「将来、生きていけるんだろうか・・・」と真剣に悩んでいました。

そして、悩みに悩んだ末に導き出した答えが「京都大学に行くこと」です。

京都大学を目指す

世の中が学歴社会であることに気付く

「世の中が学歴社会であること」には、子供ながらに気付いていました。特技もない、言語能力が低い自分が生きていくためには「学歴を手に入れるしかない!」と決意します。

理系教科は好きだった

文系教科(国語、英語、社会)は、見るのもイヤだったのですが、理系教科(数学、理科)は好きでした。特に数学に関しては、パズルを解くような感じだったので、テレビゲームと同じくらい好きでした。(たぶん、右脳の方が発達してたんだと思います。)

そのため、「理系教科を頑張ればなんとかなるかもしれない」という淡い期待を持つようになります。

京都大学に魅力を感じる

あるとき、「京都大学は、自由な学風で、ノーベル賞受賞者数日本一」みたいなことを紹介しているテレビ番組を見ました。

この番組を見て以来、京都大学に対して強い魅力を感じ、「京都大学に絶対行きたい!」と思うようになりました。

それに、言語能力で劣っているのであれば、それをカバーする何かが必要だと考えていました。「京都大学に行くことができれば、きっとお釣りがくる」。そう信じて、京都大学合格を目指して勉強するようになります。

※「日本一の大学は東大なんだから、東大は目指さなかったの?」と質問されることがあるのですが、不思議と東大に行きたいと思ったことは生まれてから1度もありません。それだけ、京都大学に魅力を感じました。(実際、期待を裏切らない、その通りの大学でした。)

京都大学合格はそこまで難しくないことに気付く

世間では、「京都大学に合格することは難しい」なんて言われていましたが、私にはどうしてもそうは思えませんでした。「いや、たぶんそこまで難しくない」と薄々感じていました。

その理由は次の4つです。

毎年約3,000人も合格する

京都大学には、毎年約3,000人も合格します。つまり、全国で3,000番以内に入れば必ず合格できるということです。

それに、東京大学、慶應大学、早稲田大学、各大学の医学部などもあります。これらの大学に合格するのは毎年20,000人以上です。

つまり、全国で20,000番以内に入れば合格できる可能性があるということです。このくらいであれば、なんとかなるんじゃないかと考えました。

頭の良い人が、難関大学を狙うとは限らない

頭が良かったとしても、難関大学を目指すとは限りません。

  • 難関大学に興味のない人
  • 「難関大学は難しすぎる」といった情報に振り回された人
  • 浪人したくない人

などは、難関大学を目指すことはありません。実際、自分よりもはるかに頭の良い人達の多くは難関大学を目指していませんでした。

つまり、実際は全国で20,000番以内に入るよりも、はるかに簡単ということです。

「勉強が趣味」という人に出会ったことがない

「勉強が趣味だ!」という人には、出会ったことがありませんでした。

つまり、勉強が嫌いな人が多い。ここにチャンスがあると考えました。もし、才能がある人にバリバリ勉強されたら、私に勝ち目などありません。しかし、実際はそんなことはありません。頭が良くても、勉強が嫌いなんて人は大勢います。この人達には、勝てる可能性があると考えました。

合格最低点が5~6割程度

とどめは、合格最低点が5~6割程度ということです。逆に考えれば、4割程度の問題を捨てても合格できるということです。

うまく作戦を立てれば、勝負できるだろうと考えました。

※ 実際の作戦としては、現代文と社会は捨てました。また、苦手な英語は、センター試験の問題では苦戦しましたが、京都大学の問題では、少しトリッキーな解き方をすることで、むしろ得点源へと変わってくれました。(センター模試の英語の偏差値は50程度なのに、京大模試の英語の偏差値は70以上といった感じです。)ただ、おススメできる方法ではないので、詳細は省略します。

手の届かないレベルではないと確信

これら4つのことから、京都大学合格は決して手の届かないレベルではないと確信しました。

現役のときは不合格

とはいっても、そこまで甘くはありません。もともと頭の良くない私は、現役では当然のように不合格。このときの成績は、とても京都大学に合格できるレベルではありませんでした。そもそも、挑戦できるレベルでもありませんでした。

でも、京都大学に突っ込みました。理由は2つです。

来年に向けた予行演習のため

1つ目の理由は、来年に向けた予行演習のためです。

先述のように、そこまで難しくないと感じていたので、1年間浪人すれば、十分チャンスがあると考えていました。「どうせ来年も受けるんだから、今年は予行演習がてら受けておこう」と考えました。

将来就職できる自信がなかった

2つ目の理由は、京都大学以外の大学では、将来就職できる自信がなかったからです。

今思えば、そんなことは決してありませんが、当時はそれだけ自分に自信がありませんでした。

1年間の浪人生活へ、そして合格

そして、浪人生活に突入します。ひたすら勉強しました。1日15時間くらい勉強したと思います。寝る、食べる、お風呂、トイレ以外の時間はひたすら勉強し続けました。

また、浪人のときには、モチベーションが一つ増えていました。浪人には、お金がかかります。つまり、今年合格できなければ、また来年もお金がかかるということです。親にこれ以上迷惑かけることができないという気持ちもモチベーションにつながりました。

そして、現役のときはE判定だった模試も、浪人でA判定までのびました。しかも、京都大学実践模試では、成績優秀者に名前が載るほどに成績を伸ばすことができました。そして、無事合格することができました。

就職時に学歴が威力を発揮する

「京都大学を目指す」という判断は間違っていませんでした。子供の頃には、不安で仕方なかった就職がびっくりするくらい簡単でした。

実は、私は就職活動をほとんどしていません。1社に絞り、その1社に採用して頂きました(しかも、そこそこ人気の企業です)。わたしが就職活動したのは、履歴書作成と面接くらいでトータルで1週間くらいです。

学部生で採用してもらえた

私は大学院に進学せずに、就職の道を選びました。理系の場合、多くの人が大学院に進学します。実際、周りの人達は大学院生ばかりでしたが、採用してもらうことができました。

希望の部署に配属してもらえた

私の就職した会社は大企業だったので、新入社員が1,000人位いました。そして、この時点では、配属先が決まっていません。

つまり、希望の会社に就職できたものの、自分の希望する部署に配属されるかどうかはわからないといった状況です。しかも、希望している部署の配属人数は若干名。

ですが、自分の第一希望の部署に配属してもらうことができました。

配属理由は「京都大学出身だから」

のちに、配属の権限を持つ方と話す機会があったので、私から「なんで配属してもらえたんですか?」と聞いたら、「そりぁあ、お前が京都大学出身だからだよ」と言われました。

つまり、言語能力が低くて自信がなくても「京都大学」という学歴のおかげで、自分の希望の道を掴み取ることができました。

弱いものが生きていく術、それが学歴

「学歴で判断されるのは悲しくないか?」そう思われるかも方もいるかもしれません。

たしかに、配属理由は「私」を見てではなく、「学歴」を見てです。

ですが、私はそんなこと何にも気にしていません。もともとの能力が低いので、「学歴」がなかったら、逆立ちしても希望の部署に配属されることなどありません。

そもそも、そのことをわかっていて、学歴をとりにいっているので、悲しいはずがありません。

弱いものが生きていく術、それが学歴だと考えています。

自分に自信がつく

もともと、言語能力が低いのがコンプレックスで自分に自信が持てなかったのですが、「努力や工夫次第で、なんとかなるもんだな」と自信をつけることができました。

それ以来、多少苦手だと思うことでも、「きっと、なんとかなる!」と前向きな気持ちで取り組めるようになりました。

例えば、次の2つです。

本が1日に1冊は読めるレベルに

それ以来、本も読めるようになるのではないかと思い、試行錯誤しているうちに、1日に1冊以上の本が読めるようになりました。

初めて小説を読み終わったときには、「本ってこんなに面白かったんだ」と感動することができました。

TOEICで800点をとれた

自分でも驚いたのですが、TOEICで800点をとることができました。(TOEICとは、英語資格検定の1種です。)TOEIC800点というのは、英語が得意な人からしたら簡単なことかもしれません。しかし、もともと日本語ですら苦戦している私にとっては、とてつもなく長い道のりでした。

初めて受けたときが、22歳のときで点数は410点。それから、8年以上かけて810点を取ることができました(400点UP)。

「コツコツやってけば、亀のようにゆっくりでも、必ず前に進むことができる!」と自信を持つことができました。

このときの勉強法などは「人気の記事一覧」の中で掲載していますので、TOEICで点がとれずにお悩みの方は参考にして頂ければ幸いです。

ただ、音読はいまいち

日常生活で、音読できなくて困ることはありませんし、将来もきっと困ることはありません。そのため、とくに試行錯誤したこともないので、音読のレベルはあまり上がっていないと思います。多少はマシになっているとは思いますが・・・

自分に自信がない人こそ、難関大学がおススメ

未来の道を切り拓くことができる

自分に自信がない人は、難関大学を目指すことをおススメします。自分の持っている能力以上に、未来の道を切り拓くことができます。

難関大学合格はそこまで難しくない

先述のように難関大学合格はそこまで難しくありません。一方、スポーツや音楽、芸術などで花を咲かせようとするのは、至難の業です。おそらく、県内トップレベル程度では話になりません。全国には化物級の人がうようよいますし、狭き門でもあります。しかし、学業の場合、県内トップレベルであれば、難関大学に余裕で合格できます(門が広いので)。それに、勉強が好きな人はそれほど多くないので、本当のライバルはそれほど多くはありません。

勉強はやれば必ず成績が伸びる

勉強はやれば必ず成績が伸びます。それは私が保証します。人によっては、亀のようにゆっくりとしか進むことができないかもしれません。しかし、必ず前進していくことができます。時間がかかるのであれば、早く取り掛かればいいだけのことです。

志望校が決まっていないなら、とりあえず東大か京大を目指そう!

自分に自信がない、志望校も決まっていないのであれば、とりあえず志望校を東大か京大にすることをおススメします。行きたい大学が決まったら変更すればいいだけのことです。上から下への志望変更は難しくはありません。