子供が勉強しないときの対処法。まずは親が汗をかこう

子供が勉強しないときの対処法。まずは親が汗をかこう


 
「子供が全然勉強しない・・・」

多くの親が抱える悩み。

 
ですが、この悩みは少し変です。

なぜなら、今の日本では子供が勉強しないなんて当たり前だから。

 
子供に勉強させたければ、親もそれなりに工夫する必要があります。
 

今の日本では子供が勉強しないなんて当たり前

今の日本では子供が勉強しないなんて当たり前なんです。

理由は大きく4つ。
 

  1. 娯楽が満ち溢れているから
  2. 平和だから
  3. 勉強の価値が下がっているから
  4. 勉強するメリットがわからないから

 

娯楽が満ち溢れている

今の日本には娯楽が満ち溢れています。

家の中のだけでも、テレビ、ネット、マンガ、ゲームなど盛りだくさん。

家の外にいけば、映画、カラオケ、ショッピングなど、数えきれないほどの娯楽があります。

 
これらの娯楽を差し置いて「勉強する」というのは、少しムリがあります。

現代の日本は平和

ありがたいことに現代の日本は平和です。

ご飯が食べられなくて飢え死にする、なんてことは基本的にありません。

 
つまり、勉強しようがしまいが、ご飯を食べるには困らないということ。

 
それに、「子供が勉強しなくて困っている」という悩みは、ある程度裕福な家庭にしか起こり得ません。そのような家庭で育っている子供は「ご飯を食べれるなんて当たり前」という考えになりがちです。

 
そして、勉強の優先度が下がる。

 
もし、平和な世の中でなければ、きっとこのような考えにはなりません。

今日を生き抜くために、明日を生き抜くために、必死で知恵を絞ろうとする。「知識」は宝になります。このような状況では、積極的に勉強に取り組むはずです。

 
しかし、現在の平和ボケした世の中では、そのような思考にはなかなかなりません。

平和であることはありがたいし、いつまでも続いて欲しいと願う一方で、日本人の「ハングリー精神」が衰退していくことを恐ろしくも思います。

勉強の価値が下がっている

また、勉強の価値が下がっていることも、勉強のやる気が起こらない原因の1つです。

今の日本では、基本的に誰でも教育を受けることができます。

隣の家の子供も学校に行っているし、その隣の家の子供も学校に行っている。

 
このように、誰にでもできることは、必然的に価値が下がってしまいます。(正確には、そう思い込んでしまう。)

勉強するメリットがわからない

これらのことにより、どうしても勉強の価値が下がってしまう。

そこに、溢れんばかりの娯楽。

 
子供達が勉強ではなく、娯楽に手を伸ばしてしまうのは当たり前なんです。

 
そして、とどめは「勉強するメリットがわからない」。

 
例えば、高校で習う数学の中には、難解な式がたくさん出てきます。

でも、これらの式を果たして将来使うのでしょうか?

おそらく、極々一部の人しか使うことはありません。

 
英語も同じようなもの。

英語はなんとなく使いそうな気がします。でも、それは本当でしょうか?

 
英語圏で働きたい人ならいざ知らず、日本で生きていくうえで英語がそんなに必要なんでしょうか?

翻訳機の性能も向上してきました。

英語を本当に必要とする人も極々一部だと思われます。

勉強は志望校合格に必要?

「中学受験、高校受験、大学受験を突破するために勉強は必要だ!」

と言われても、子供達からしたら「突破したから何?」って感じです。

 
「良い大学に行って良い企業に行って、安定した暮らしができる」

と言われても、平和ボケした世の中ではいまいちピンときません。

 
今の日本で普通に過ごしていると、「勉強するメリット」を感じるのは難しいということです。

子供に勉強させたければ、親もそれなりに工夫が必要

このような環境下で、子供が自主的に勉強するのを望むのは少しムリがあります。

 
それなのに、子供に対して

「なんで勉強しないの?」
「ちゃんと勉強しなさい!」

としか言っていないのであれば、子供が勉強するはずがありません。親の怠慢とも言えます。

子供に勉強させたければ、親もそれなりに工夫が必要です。

「なんで子供に勉強させたいか?」を考える

よくあるのが「とりあえず勉強しなさい」と言ってしまうパターン。

勉強する理由を、親自身がわかっていないパターンです。

 
親がわからなければ、子供もわかるはずがありません。

 
子供に勉強させたければ、親自身が「なんで子供に勉強させたいのか?」を真剣に考える必要があります。

「親自身のため」になっていないか?

子供に勉強させる理由が、「親自身のため」になっている場合がよく見受けられます。

 
例えば、

自分の子供を良い大学に行かせて周りに自慢したい。
あの親の子供には負けたくない。

など。

 
あるいは、

家業を継がせたい。
老後に自分の世話をしてもらいたい。

など。

 
これらは親自身の都合。子供にとっては勉強する動機にはなりません。

親孝行の子供は親の願いを叶えるために勉強を頑張ってくれるかもしれません。でも、そのために青春時代の貴重な時間を費やさせるのは、少し残酷な気がします。

「親の考えの押し付け」になっていないか?

また、「親の考えの押し付け」になっている場合もあります。

例えば、お酒の好きな人は、お酒の嫌いな人に無理やり飲ませようとする節があります。(近年は減少傾向にありますが・・・)

「なんでこんな美味しいもの飲まないんだ」
「人生の半分損してる」

なんて好き放題言います。

 
ですが、好みは人次第。勉強でも同じことが言えます。

 
例えば、

「良い大学に行って、良い企業に就職した方がいいぞ」

と言われても、そうと思うか思わないかは、その人次第。

 
子供がそう思わないのに、これを理由にして勉強させようとしても、勉強の動機にはなり得ません。

筆者がおススメなのは・・・

「子供が勉強する理由」を考えるのは意外と難しいと思います。

 
筆者がおススメなのは

「子供が人生を終えるときに、後悔しないようにするためにはどうしたらいいか?」

を起点に、理由を考えていくことです。

自分自身を完全に排除して、純粋に子供のことだけを考えてあげる。

 
このような視点で考えていくと「別に勉強なんてしなくてもいいんじゃないか?」という考えにも辿り着けるはずです。

世の中、勉強だけが全てではありません。勉強なんてしなくても、幸せな人生を掴み取る方法はいくらでもあります。
 

このように視野を広げると「子供にとって本当に進むべき道」に気付きやすくなります。

 
子供の得意なこと、苦手なことを一番知っているのは親です。

子供の特性を踏まえたうえで、「勉強に取り組むべきなのか」「他の道に進むべきなのか」を判断してあげることも重要です。

 
例えば、「絵の才能があるのに、勉強の道に進ませていいのか?」など。

子供と話し合う前にやるべきこと

子供がどんな人生を歩みたいのかは、子供本人しかわかりません。

最終的には子供と話し合う必要があります。

 
ですが!

 
ここで、少し問題が発生します。子供はまだまだ人生経験が少なすぎます。自分の進む道を決めるためには、知識量や情報量が足りません。

 
結果として、よく目にする「youtuber」に憧れてしまう。世の中には数えきれないほどの職業があるにも関わらず。

まずは、子供の経験値を増やしてあげよう

親が最初にやるべきことは「勉強しろ!」というわけでもなく、将来のことをいっしょに話し合うことでもありません。

まず最初にやるべきは、子供の経験値を増やしてあげることです。

 
私達大人は勉強の重要性を知っています。

勉強したおかげで良い思いをしたこともあれば、勉強しなかったせいで辛い思いをしたこともあるはずです。

だから、私達大人は子供達に対して「勉強しろ」という。

 
ここまで「勉強する意味なんてあるのか?」なんてことを言ってきましたが、あるに決まっています。間違いなく勉強は重要です。重要だからみんなが口酸っぱく「勉強しろ!」という。

 
でも、子供達は経験値が少ないから、勉強の重要性をいまいちイメージできません。

だったら、親がまず最初にやるべきは経験値を増やしてあげることです。

「受験勉強」と「勉強」は違う

子供に対して「勉強しなさい!」というときの「勉強」は、多くの場合「受験勉強」の意味合いで使われます。

ただ、「受験勉強」と「勉強」は違います。「受験勉強」は「勉強」の一部でしかありません。

 
例えば、テレビを見ることも「勉強」の一環です。

テレビを見れば、少なからず新しい知識を学習することができる。そういった意味では「勉強」です。

 
テレビに限らず、何かをすれば、必ず何かを学びます。

 
「受験勉強」だけをした場合には、受験に関する勉強しかできません。

子供の視野が広がりにくくなります。

 
子供の経験値を増やすためには、テレビやネットなども必要ということです。

 
「テレビやネットばかり見ていないで勉強しなさい!」

と叱ると、色んな意味で残念な結果を引き起こしてしまいます。

子供の視野を広げるには

ただ、いつも同じようなテレビやネットを見ていても、視野は広がりません。

面白いことに、知識が深くなることもありません。

 
例えば、富士山は日本一高い山ですが、裾野が広く、土台がしっかりしているからこそ、高い山で在り続けることができます。

もし、土台が小さければ、地震であっという間に崩れ落ちてしまいます。

 
つまり、知識を広く、深くするためには、幅広い経験が必要ということ。同じテレビやネットばかり見ていてもダメですし、受験勉強だけやっていてもダメということです。

 
親がやるべきことは、

  • いろんなテレビを見せてあげる
  • いろんな本を読ませてあげる
  • いろんな人と接する機会を増やしてあげる

などです。

自分自身が苦労したことなどの体験談を伝えることも重要です。子供にとってはとても貴重な情報になるはずです。

その後に子供と相談する

子供の経験量を増やしてあげると、「自分の進みたい道」がぼんやりと見えてきます。

ここまでくれば、子供と有益な議論ができます。

 
子供に「将来こんなことやりたいんだけど、どうしたらいいんだろう?」と聞かれたときに、自分が知っていれば答えてあげればいいし、知らなければ調べて教えてあげればいい。

子供に調べさせたければ、調べる方法などを教えてあげればいい。

親は子供以上に頑張る必要がある

勉強をやりたくない子供に勉強をやらせるのは大変なんです。

親は子供以上に頑張る必要があります。

 
「勉強しなさい!」

なんて誰でも言えます。オウムでも言えます。

 
親がラクをしていたら、子供の心が動くわけありません。

そして、親はイライラ、子供もイライラ。良いことはありません。

 
子供に勉強させたければ、親にも覚悟が必要です。その覚悟を持てないのであれば、「子供に勉強しろ」という資格はないと思います。

勉強の重要性に気付けば、自主的に勉強する

子供は勉強の重要性に気付けば、自主的に勉強します。

これが本来のあるべき姿だと思います。

 
勉強は本来面白いんです。

自主的に勉強すれば、どんどん勉強にのめり込んでいきます。

 
その助け舟を出してあげることが、親の役目だと思います。

どれだけ勉強すればいいか、は明確に

最後にもう1つ。

子供がどれだけ勉強すればいいのか、は明確にしてあげることをおススメします。(子供の勉強量に親が口出すというのもおかしな話ですが・・・)

 
10分勉強すれば満足なのか?
2時間勉強すれば満足なのか?

 
平均点を取ればいいのか?
学年で1位を取ればいいのか?

 
勉強に終わりはありません。

目標を決めてあげないと、ひたすら勉強することになります。子供が勉強を頑張っていても、もっと勉強しろ、というのは酷すぎます。

 
それに、子供がひたすら勉強するのは良いことなんでしょうか?
(ここでの勉強は「受験勉強」の意味合いです。)

 

  • テレビも見ない
  • ネットも見ない
  • マンガも読まない
  • ゲームもやらない
  • 友達とも遊ばない
  • 運動もしない
  • 家族との会話もない

 
1人で部屋にこもって、ひたすら勉強し続けている。

 
自分の子供に望んでいるのはそんなことでしょうか?

おそらく、違うと思います。(と信じてます)

 
違うのであれば、どこまで勉強したらいいかの線引きをしてあげることも重要です。

まとめ

子供が勉強しなくて困っているのであれば、子供の経験値を増やすをおススメします。

 
子供に勉強させたければ、まず、親が努力や工夫をすることが重要です。

熱意が強ければ、子供もきっと応えてくれます。

 
オウムのように「勉強しろ!」というのはやめましょう。誰も得しません。